【搭乗記】ロイヤルブルネイ航空 BI872便 クアラルンプール〜ブルネイ激安ビジネスクラス

下記情報は「2018年5月」の情報です。現在の状況とは異なる場合があります。
クアラルンプールからブルネイのフライトはどんなのあるの?

東京からシンガポールを経由してクアラルンプールへ到着。
1泊してから翌日は「謎の国」ブルネイに行く日がやってきました。


ブルネイはボルネオ島にある小国、クアラルンプールからは南シナ海を渡って
1500kmほど東に移動することになります。飛行機の所要時間は2時間ほど。

クアラルンプールからブルネイは下記の3社がそれぞれ1日2−3往復づつ便を飛ばしています。
・エアアジア
・ロイヤルブルネイ航空
・マレーシア航空
価格を比較してみると、やっぱりエアアジアが往復6000円台で最安。
日本からブルネイに飛んだ人もエアアジアを使っている人が多いようですが
朝6時発とかなり早い時間に出発するので、前日夜遅くにクアラルンプールに到着して
その時間に出発するのはちょっと辛いかなという感じ。
次はロイヤルブルネイ航空が往復1万2000円ほど。マレーシア航空は2万円台で論外。
ロイヤルブルネイ航空はクアラルンプール出発が昼の12時とゆっくりめですが
ブルネイにも1泊する予定なので遅めでもいいや。という事になり公式サイトから予約しました。

アップグレードのお誘い

出発2ヶ月ぐらい前にブルネイに飛ぶチケットを予約して
時は経って出発1週間前。ロイヤルブルネイ航空から「ビジネスクラスにアップグレードしませんか?」旨の
メールが届きました。

ただ、そんなにうまい話は無いのです。
無条件にビジネスクラスにアップグレードできるわけではなく
「一番高い価格を提示した乗客をアップグレードさせる」オークション方式だったのです。

入札最低額は500リンギット(1万3000円ほど) 最高額は忘れましたが結構な額が設定されており
「まあネタで入れてみてもいいかー」と最低額で入札してみました。

…すると、搭乗2日前に「アップグレード成功」というメールが。

どうやら、当日空港でチェックインする際にビジネスクラスのチケットが出てくるらしい。
結局片道1万3000円で2時間のフライトをビジネスクラスにアップグレードできました。

【搭乗データ】
搭乗日:2018年5月26日(土)
機種:Airbus A320-200
搭乗クラス:ビジネス
チケット代:RM 918 … 約25,000円 (クアラルンプール〜ブルネイ往復 行きだけビジネス)
ラウンジは使えない

ホテルからGrab Taxiでクアラルンプール空港にやってきました。

出発ちょうど2時間前ですが、ロイヤルブルネイ航空のカウンターはガラガラでした。

チェックインする際に「このチケットってラウンジって使えるの?」と
グダグダな英語で聞いたら「アップグレードされているチケットはラウンジは使えません」とのこと。
ラウンジに備えて朝食は控えめにしてきたのに…

一旦チケットを受け取って、よくよく座席番号を見てみると「6C」そしてチケットに書いてあるのは「ECONOMY」
あれ、まあ前の方だけどビジネスクラスって1列目とかじゃないの?そもそも通路側?
と思ってもう一度カウンターに寄って「窓側に変えたいんだけど…」と聞いてみると
「Oh…OK〜!となりに誰もいない窓側に変えるねー」まあさっきアップグレードとか言ってたし
ビジネスにはなっているんだろうと思ってOKしました。

「展望デッキ」と書いてあったので入ろうとするとマレーシア風の家屋みたいな入り口。
ちなみに通路の途中にはイスラム教の礼拝室がありました。

飛行機が目の前にいるわけでもなく、地味な展望デッキ。

出国します。マレーシア航空は導入したばかりのA350を激推し。

クアラルンプールの空港に来た際は必ず写真に収めてしまう飛行機のモデルコーナーは健在でした。

シンガポールの空港にもバタフライガーデンがありましたが、クアラルンプールの空港には
「ジャングルウォーク」があります。クアラルンプール空港もパームヤシのジャングルを
切り開いて作った空港なので、実は森と近いのです。

これ、本当に空港の中ですか…?

ブルネイ行きの便が出るのは本館ではなくサテライトなので、シャトルトレインで移動します。

適当にブラブラしているともう搭乗の時間です。
客層はマレー系だったり、中華系だったり、欧米の人がいたりとバラバラ。

放送で呼び出されて何事かと思いきや、チケット交換するよとのこと。
本当にビジネスに乗れるのか…

はじめてのビジネスに緊張しながらレアな飛行機に遭遇

どうやらビジネスの客は優先で搭乗していたみたいですが、それに気づかず
普通に搭乗します。

「8K」のシート。A320と小さい飛行機なので流石にフルフラットになるような
最新の座席ではなく、一昔前のビジネスクラスといった感じ。
ただ、身長175cmの自分でも足が伸ばせるぐらいのシートピッチです。

ちなみに座席モニターはありません。

そうこうしているうちに客室乗務員の人が挨拶にやってきました。

…本日ビジネスクラスを担当する◯◯と申します。どうぞ何なりとお申し付けください。
取り急ぎ、おしぼりお持ちしました。ウェルカムドリンクは何にしますか?…

的な事を英語で言っているように聞こえましたが、何も考えてなく
「う、ウォーター、プリーズ…」と言うのが精一杯。
普段飛行機に乗って客室乗務員の人に話しかけられる事があまりないので
これから2時間のフライトでどれだけコミュニケーション取らなきゃいけないか
あんまり英語も話せないのに考えるとドキドキしてきました。

「新聞をお持ちしました」あれ、頼んでないけどまあいいや。
どうやらブルネイの地元の新聞っぽいですが、トップニュースはロイヤルブルネイ航空が
A320neoを導入、フランスのエアバスで初号機を受領したよという記事。
何というタイムリーな。

離陸する前でまだ駐機場から出発すらしてないですが「機内食のメニュー」が渡され「この後聞きに来るから選んどいてね」とのこと。
数種類の中からメインの料理を選ぶようです。3種類ぐらいありましたが「シュリンプカレー」にすることを心の中で決定。
ちなみにビジネスクラスといえばシャンパンが有名ですが、イスラムの国の航空会社なのでお酒の提供はありません(´・ω・`)

日本語が通じる安心と信頼の翼を横目に出発。

離陸前にはイスラム教のお祈りが流れます。旅の安全を願って…って感じでしょうか。
ビジネスクラス担当の乗務員さんは男性でしたが、女性の客室乗務員も乗務しており
安全ビデオにある通り割とおしゃれなヒジャブを着ています。

滑走路に向かう途中、日本では見慣れない緑色の飛行機が横を並走してきました。
帰って調べてみると「イラク航空」これはまたレアな…
湾岸戦争が起こる前には日本にも飛んできていたようですが、今は当然のことながら撤退。
場所が場所だけに搭乗記や情報もほどんどないという神秘にも程がある航空会社です。

機内の様子

バグダッドに向かうイラク航空に別れを告げ、お先に離陸します。

離陸後すぐに配られたのは「iPad」どうやら個人用のモニターが無いので
ビジネスクラスの乗客はiPadで暇潰してね。という感じでしょうか。
映画が数本入っていただけで特に発見はありませんでしたが。

あ、コーランが搭載されていました。

その次はブルネイの入国カードが配布されました。
シンガポールの入国カードとほぼフォーマット一緒のような。
「麻薬の密輸は死刑に処されます」の文言もばっちり入っています。

安全のしおりは英語、マレー語、中国語、アラビア語の4カ国語対応。

機内誌「MUHIBAH」
機内誌で真っ先に見てしまうのは「就航先マップ」なのですが
北米線こそないものの、ドバイ経由ロンドンやジッダなど長距離路線もそれなりに飛んでいます。
…そして、この頃はありませんでしたが2019年3月より東京(成田)に就航するとのこと。

結構マイナーな国ですが、大丈夫なのだろうか。

ビジネスクラスで満腹

ビジネスクラス一番のお楽しみの食事タイムがやってきました。
「しゅりんぷかれー!」と決死の覚悟で乗務員さんに伝えると「OK」とのこと。

まずはドリンクがやってきますが、選択肢の中にアルコールはないのでジュースです。
にしてもソフトドリンクにおつまみのナッツは必要なのだろうか、と思いつつ空腹だったのでボリボリ。

続いて前菜になります。
パスタのサラダ、ローストビーフ、パン。
奥にあるチーズケーキはデザートです。パンはおかわり自由
(こまめに「追加いるか?」と乗務員さんが回ってきた)

チーズケーキの隣に置いてある2種類の液体。
それぞれ何か分かりますか?

正解は、右が「オリーブオイル」左が「ケーキ用のカスタードソース」なのですが
訳もわからず「白いからサラダのドレッシングだろ」と思いサラダにカスタードソースをぶっかけて
あま~いサラダを食べる羽目になりました。

前菜が食べ終わった頃にメインの「シュリンプカレー」がやってきました。
米が東南アジアな感じでしたが普通にうまし。

そういえば、通路挟んで隣の列に座っている中年の夫婦は離陸してから
食事はおろか飲み物すら飲んでないな。そもそも乗務員さんもまったく食べ物を持ってこない事に気づきました。

よくよく考えてみると、ちょうどこの時期イスラム教では断食(ラマダーン)の時期でした。
通路挟んでですが隣の席の日本人男子がもりもりとカレーを食っている香りを嗅ぎながら
じっと耐えているのが何だか申し訳ない気持ちになります。といっても食べないのも失礼なので完食です。

「What time of drink?」と乗務員さんに聞かれたような気がしたので
「お、食後のコーヒーなりお茶をいつ持ってくるって聞いてるんやな」と思い
「んー、、20 minutes after lunch」と言ってみるものの「??」な表情。
「トゥエンティーミニッツ!」を連呼するも更に「???」
そして、わりとゆっくりとした発音で「What “kind” of drink?」

あ、何の種類のお茶ってことね。

格闘の末ゲットした紅茶ですが
「ミルクを入れるけどStopって言ってね」というのが聞き取れず
大量にミルクが入れられてしまうことに。

おそらくリアウ諸島のどこか上空。

地方空港のような大きさのブルネイ国際空港

食事に時間がかかるビジネスクラス。食後程なくしてブルネイの首都、バンダルスリブガワンの上空です。

お、真ん中に見える金色の建物はかの有名なブルネイの王様が住んでる宮殿?

ブルネイ国際空港、クアラルンプール空港に比べるとやはりこじんまりとした空港です。
日本でいうとちょっと大きめの地方空港みたいな感じ。(一度利用した広島空港みたいなサイズでした)

ビジネスクラスだったので真っ先に降機できました。
入国審査も誰もいない中トップで通過。と言ってもあまり便数がない空港なので
後からやってきた人もそれほど並ばず通過していました。

ただ、ここからが東南アジア時間なので長い。とにかく荷物が出てこないです。
ビジネスクラスと言っても優先的に出てくることは無いっぽいのでひたすら待つこと20分。
ようやく出てきた荷物を転がしながら外へ。アルコールの持ち込みは厳しいらしいですが
特に持ち込みも無いので税関をスルーして外に出ました。
こういうときにリュック1つで身軽なバックパッカーは羨ましいです。

ブルネイは公共交通機関がバスしかなく、それほど本数もないので
大体のホテルに空港へのお迎えがセットでついています。
普段送迎サービスなんか頼まないので、自分の名前を書いた札を
ニコニコしながら持ちながら待っているホテルの人がいるのは感動。

「両替とSIMカード買いに行っていい?」と聞いてみると「荷物持ってるので行っといで」とのこと。
こういうときに他人に荷物を預けるのは海外では少し怖いですが、ホテルの人を信じて預けて
用事を済ませ戻ってくると相変わらずニコニコしながら待っていてくれていました。
優しい。

ホテルの送迎車…と言っても普通のSUVなので貸し切りですが
一路市内まで向かいます。「宮殿とかモスクとか観光したいんだけど…」というと
「時間決まっちゃてるけど送迎もするのでホテル着いたらプランを相談しよう」至れりつくせりです。
ちなみに「日本人ってよく来るの?」と聞いたら
「5月の頭はなぜかたくさん来たけど、ここ1週間では君が初めてだよ。5月の頭は日本だけ大きい休みがあったね。確か…何て言ったっけ…」
との事だったので、ゴールデンウイークじゃね?と返しておきました。

The Capital Residence Suites
色んなところに送迎してもらって助かりました。

まとめ

割と英語ができないと外国の航空会社でビジネスクラスに乗るのは緊張しました。

が、アルコールが無いのは少し物足りませんでしたが
サービスも特に問題なく、エコノミーであればエアアジアとあまり価格も変わらないので
ブルネイに行く際は話のネタに乗ってみてはいかがでしょうか。

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