【乗車記】急行 能登号 上野〜金沢 味わい深いボンネット型

下記情報は「2008年9月」の情報です。現在の状況とは異なる場合があります。
能登号は2010年に臨時列車化し、その後2012年に廃止されました。
風前の灯火だった夜行急行に乗った

だいぶ昔の話になりますが、学生の頃は千葉に住んでいました。
香川県の実家に帰るときは、それこそ青春18きっぷだったり、昼行夜行のバスだったりと
いろいろな乗り物に乗って帰省していたのですが、そんな中とあるニュースで知ったのが急行「能登号」。
時代は平成なのに、まだこんな昭和のような顔つきな「ボンネット型」の車両が生き残ってたのかと
驚いたと同時に「乗ってみたい。。。」と思ってしまったのが最後、気になってしょうがありません。

結局、夏休みの帰省に
「上野→(急行能登号)→金沢→(特急雷鳥号)→大阪→(各駅停車)→高松」というマニアックなルートで帰省することに。
かなり遠回りではありますが、まあ時間がある学生さんの特権ということで。

【乗車データ】
搭乗日:2008年9月3日(水)
列車:国鉄489系
席種別:自由席
きっぷ代:13,000円(千葉→高松 学割乗車券&急行特急券)

旅人集まる上野駅で

帰宅するサラリーマンが集まる上野駅へやってきました。

能登号は23:33発。終電に近い時間帯なので高崎までは通勤客の利用も多いようです。

その30分前には同じく金沢行きの寝台特急「北陸号」も走っています。当時は北陸新幹線がまだ無かったので、ある程度需要もあったのかもしれませんが、流石にこれは供給過多なのでは?

今はもう無い懐かしの列車の名がちらほらと…

この列車も消滅しましたね。

ついに登場したボンネット

そうこうしているうちに「能登号」になる489系がホームライナーとしての仕事を終えて上野駅に帰ってきました。

大きなボンネットの中には何が入ってるんだろう…?鉄ちゃんの夢…?

とりあえず記念に…

ヘッドマークはいつの間にか「能登号」のものに付け替えられていました。仕事が速い。

寝過ごしたらとんでもない所まで連れて行かれます。

今は見れない(ry

切符を買う際に「指定席って空いてますか?」と聞いてみた所、喫煙車両はそこそこ空いているが禁煙車は残席わずかとのこと。
まあどうにかなるだとと思って自由席にしてみました。

自由席にして大正解。禁煙車両でも通勤客らしき人が何人かいるのみで、あとはよりどりみどり選び放題。

隣の車両はレッドカーペットが存在感を示すグリーン車。

上野駅にいる列車なのに、車内の掲示物がJR西日本の物なのが興味深いです。

まったり走りながら高崎へ

列車は静かに出発しました。金沢駅まで約7時間の旅の始まりです。

最初の停車駅、大宮駅は日付が超える頃で人もまばら。

車掌さんが「切符を拝見〜」とやってきました。こんな素っ頓狂な切符にも顔色一つ変えず対応。

JR西日本の車両なのに車内の掲示物に東京郊外の地名が…

熊谷駅。ホームに1人も人がいませんでした。先行列車が遅れているらしくノロノロ運転が続きます。

座席は…正直くたびれた感じが否めません。

高崎駅で奇跡のコラボ

上野を出発して1時間半、高崎駅に到着しました。少し眺めの停車時間だったので外に出てみると…同じ色の電車が隣のホームにも。

新潟行きの快速「ムーンライトえちご」でした。同じような時間に出発したのに、なんで上野駅に居なかったんだろう…と思ったら、ムーンライトえちごの方は新宿発でした。

5分おきに夜行列車が出発する、平成の世とは思えない豪華なダイヤの高崎駅深夜1時。

ムーンライトえちごの方はほぼ満席、一方能登号はガラガラです。これが青春18きっぷの力。

そろそろ出発です。高崎の次の停車駅は直江津駅です。到着は3時間後。

消灯

高崎を過ぎて、通勤客が完全に下車したので自由席には自分含め3人ぐらいしか乗車していません。
あまりにもガラガラなので、席を回転させて4人席モードにてくつろがさせてもらいます。

程なくして、消灯。消灯と言っても減光なので少し薄暗くなるぐらいですが。

水上駅で運転停車。貨物列車の通過待ちでしょうか?

なんだかんだで落ち着かず眠れません。

さらに1時間後、上越国境を超え列車は長岡駅に運転停車。ここから列車の進行方向が変わります。

寝付けず暇を持て余したので、隣のロビーカーに行ってみました。ソファーに寝っ転がるおっちゃん約1名。そっとドアを閉じました。

午前4時過ぎ、直江津駅に到着しました…が特に下車客は見つけられず。ここからJR西日本のエリアに入ります。

北陸にやってきた

直江津駅を出た瞬間、少し寝落ちしてしまい気がついたら富山駅でした。とっくの昔に夜が明けています。

そしてすぐに高岡駅に到着。

列車は金沢に向けて曇り空の北陸本線を走ります。

到着少し前にグリーン車にお邪魔してみました…が、乗客は0。

そして、静かに金沢駅に到着。お疲れ様でした。

日本国有鉄道。

隣のホームからは、新潟行きの特急「北越号」が出発していきました。この頃は国鉄型の特急が現役だった最後の時代だったのかも。

駅前のアパホテルの中にあるサウナで朝風呂&仮眠してから、次は大阪行きの「雷鳥号」に乗車しました。

まとめ

今から10年前に乗車した際の話ですが、この当時でもクリーム色の夜行列車はJRの中でも浮いた存在でした。昭和を感じられる空間に感動しましたが、この乗車率では北陸新幹線が開業する前に廃止されてしまったのもわかります。また1つロマンが無くなってしまいましたが、しょうがないですね。

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